前に見たとおり、上顎(頭蓋)と下顎骨は、別々に回転(と滑走)運動をしています。
この理由として2つ考えられます。
1つは、上下の顎の平面がバラバラに動くより、軸が同じ方が、自然で咬みやすいということ。
もう1つは、仮想軸が頚椎の中を通っているために、体の中で最も大切な中枢神経を、顎のの動きによる「ねじれ・引っ張り」の悪影響から保護しているということです。
しかし、測定装置で頭の動きを調べてみると、上顎の歯並びでつくられる平面(咬合平面)と、同じく下顎の咬合平面は、互いに首にある軸を仮想軸として、はさみのように開閉口運動をしているのです。(詳しくは、「顎関節」のP28〜29に記載)
この咬合平面の仮想軸の概念は、顎関節症の患者さんの歯並びを治療する際に、大変重要になってきます。