口を開ける時、筋肉がする仕事
口を開けるための筋肉は、すべて「下顎神経」という運動神経に支配されていて、脳から信号が出るとどの筋肉も同時に収縮を始めます。すると右図のように力が働きます。
- 下顎の重みと、舌骨の下にある筋肉の収縮により、下顎骨自体が下に下がる。
- 外側翼突筋の収縮により、下顎骨の下顎頭は前方に移動する。
- 首の後ろについている筋肉により、頭全体は後ろにひっぱられる。その支点は首のつけね(第2頚椎歯突起付近)にあります。
顎の関節はどう動くか
- 下顎頭は、それに付着する筋肉(外側翼突筋)によって前方に引っ張られます。
- 上に書いたように、下顎骨全体は下の方にさがるため、結果として下顎頭は自ら回転しながら関節結節のまわりをまわります。(それが右図の黒の線でしめされた、下顎頭の移動経路になります。)
- 関節円板は、下顎頭と一緒に前へ滑っていきます。
その結果、どう動くのか
開口動作は、以下の2つのことが同時に起こる動きとなります。
- 首を中心として、頭部全体が後ろへ回転する。
- 下顎頭を中心にして下方へ回転しながら、それ自身も前下方へ移動する。
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